法人&施設紹介

ごあいさつ

子どもはさまざまな遊びや体験をとおして、いろいろなことを学びます。
自分で人やモノなどさまざまな環境にかかわって、感じて、いろいろな力を身につけていきます。
子どもには、しょうがいのあるなしにかかわらず、子ども時代でなければ味わうことのできない子どもの文化・子どもの世界があります。

私たちは、小学生にはふれあいあそびやままごと、カードあそび、絵本、ボールあそび、おにごっこ、散歩、おやつづくりなど、その子その子の好きなあそびや、興味をもってかかわれる活動を用意して、一人ひとりが自分の世界をひろげ、豊かな子ども時代をすごせるよう、お手伝いをしていきたいと考えています。

また、中高生には散歩やプール、食事づくりの取り組みなど、さまざまな活動を用意しています。自分にとって安心できる居心地のよい場所でくつろいだり、ありのままの自分らしく過ごせる時間も大事にしています。これらをとおして、一人ひとりが自分の世界をひろげ、豊かな子ども時代をすごせるよう、お手伝いをしていきたいと考えています。

保護者の方々や学校、その他の関係機関とも連絡をとり、子育ての喜びもたいへんさも一緒に感じ、支えあって、楽しく子育てができるようにしていきたいと考えています。


理念

◆設立趣旨書◆

1.趣旨

近年、核家族化、都市化の進展等、子どもたちをとりまく環境は大きく変化するとともに、家庭や地域における育児機能が低下してきていると言われている。とりわけ、障害のある子どもの育児はそうでない子どもの育児と比べて、障害の種類や程度の差こそあれ、困難であることは周知の事実となっている。誰もが健康である子どもがほしいと望むなかで、障害特性の無知や偏見、あるいは専門家のサポートの不十分さから障害児の育児困難は引き起こされるのである。

一方で、戦後児童福祉法が制定され、乳幼児期においては母子保健が充実することによって、保健所を核として障害の早期発見が容易になってきた。共働きを保障する保育所における障害児保育も制度化されている。小児科医や精神科医、看護師や保健師、発達相談員などの障害児をサポートする専門家も増えてきた。障害児の育児困難は昔と比べたら軽減されてきたようにはみえる。

ところが、学齢期においては、義務教育が関係者の運動を背景に制度化されてきたとはいえ、放課後や学校休業日には親と自宅で過ごすことしか選択できない家庭が今でも少なくない。

私たちは、障害をもつ子どもに対して豊かな地域生活を学齢期だからこそ特に保障したい。そのために、すべての子どもたちが学校からも家庭からも離れて、思いっきり好きなことをして遊び、いろんな人とめぐり合い、いろんな体験をしながら成長することを課題にする。

また、私たちは障害児を育てる家族(親・きょうだい)にも、人として当たり前の生活を保障したい。そのために、わが子が、きょうだいが障害をもっているからこそ困難となってしまう就学や就労の機会、あるいは休息・余暇をも課題にする。

そして、私たちは個々の家族をどう支えるかだけではなく、地域に支え合える住民の輪をどうつくるかをも課題とする。地域住民が地域で生活する子どもとともに楽しむこと、子育てを自由に豊かに話し合えること、そんな仲間を、文化を地域につくることを課題にする。

以上のことを実現するためには、当然私たち一法人の力では限界がある。だから必要に応じて、他の専門機関や団体と協力・連携することが必要である。

私たちは、障害児に関わる事業・活動をとおして、障害児本人やその家族への支援だけでなく、障害のある/なしに関わらず人が人を大切にする共生社会にするために「特定非営利活動法人あした」を設立する。


2.申請に至るまでの経過


本法人の母胎となっているのは、名古屋市学童保育連絡協議会の障害児部会と愛知県障害児の地域生活を保障する連絡会である。

障害児部会は、障害児を受け入れている学童保育所の指導員を中心に、学童保育や保育、児童福祉、障害者教育、障害者福祉の関係者から構成されている。これまで障害児部会は、学童保育所で生活する障害児が豊かに過ごすためにはどうしたらよいか、調査・研究・運動を進めてきた。その結果の一部を「ガイドブック」として世に出している。

愛知県障害児の地域生活を保障する連絡会(通称、よかネット)は、障害児の家族、障害児教育・保育関係者から構成されている。愛知県内の障害児の地域生活を保障する施設、事業所の活動報告や、障害児の発達保障に関する講座などを毎年行っている。

障害児部会とよかネットという2つの組織でさまざまな議論をするなか、実際に障害児が地域生活をするための社会資源が不備・不足していることを痛感してきた。2つの組織に関わるメンバーが事業所の開設とその運営形態などを検討し、その結果、いわば障害児部会を父に、よかネットを母にもつ「特定非営利活動法人あした」の法人化を申請するに至った。


施設概要

施設案内
創立
2005年4月1日
経営主体
特定非営利活動法人 あした
所在地
〒457-0861 名古屋市南区明治一丁目21-4
TEL. 052-691-2003  FAX.052-746-2830
定員
10名
職員
管理者           1人
児童発達支援管理責任者   1人
保育士・児童指導員     数人

出版物

◆下記の出版物には、NPO法人あしたの職員の実践が掲載されています。ぜひお買い求めいただき、「私たちが大事にしている実践とは何か」を感じていただければと思います。
かもがわ出版です→『放課後等デイサービスハンドブック』のご注文はこちらからどうぞ。あとの2冊は古本をお探しください(Amazonなど)。

『放課後等デイサービスハンドブック―子どもたちの豊かな育ちのために』
2017年6月 2000円+税
ISBN 978-4-7803-0916-4 C0037  A5判 192頁

〔出版社による紹介〕
放課後等デイサービスの制度が2012年に施行されてから5年。その間に、事業所は全国で約9000か所となり、約14万人の子どもたちが通っています。実施が広がるなかで、事業の理念や内容の問題も指摘されるようになってきました。そんな今だからこそ、経過・現状・今後の課題を整理し、放課後活動の役割、子ども理解の視点、具体的な実践例、事業所の運営(理念、個別支援計画、家族支援、学校との連携、地域でのつながり)など、放課後等デイサービスの事業がめざすものを改めて確かめたいと考え、本書を出版します。

【在庫切れ】『しょうがい児支援ハンドブック-学童期の地域生活をゆたかなものに』
2009年7月 735円
ISBN 978-4-7803-0290-5 C0037  四六判 64頁

〔出版社による紹介〕
「うちの子、ちょっと気になる」「みんなそれぞれ違っていい・・・と、わかってはいるけど、やっぱり心配」ーーそんな不安な気持ちでいるみなさん。また、重い身体的および知的な発達障がいのある子どもを育てているみなさんも、子どもをどう理解し、子どもとどう向き合えばいいのか、どう育てていけばいいのか、日々の悩みは尽きないことと思います。私たちは、子どもの権利条約の精神をふまえ、障がいのある子どもの生活や子育てを支援する施設が、子どもの最善の利益を保障するものとなるよう、運動や事業に取り組んでいます。本書では、乳幼児期から青年期まで、とりわけ学童期を中心にした支援について、実践報告も含め紹介しています。一人でも多くの、障がいのある子どもやその家族が、ゆたかな明日を生きるための支援の選択や活用に、役立てていただけるものと確信しております。

【在庫切れ】『しょうがいのある子どものゆたかな放課後・夏休み』
2005年11月 735円
ISBN 978-4-87699-983-5 C0037  A5判 72頁

〔出版社による紹介〕
障害のある学齢期の子どもたちに豊かな放課後を。制度施策の谷間で、NPO・デイサービスなど多彩に取り組まれている実践と提案。